経済・投資

アフリカの経済がなかなか発展しない理由とは?

アフリカの風景

ケニアのナイロビなど、一部の都市でめざましい経済成長が報じられるアフリカですが、アフリカ大陸全体では経済格差と貧困問題がいまだ根深く、経済がなかなか発展できない状態が続いています。

経済産業省が発表した2017年度版白書によると、格差の大きさをあらわすジニ係数がアフリカの主要国で高止まりしており、格差が是正されるどころか悪化していることが分かります。

この記事では、そんなアフリカの経済成長を阻害している、おもな要因を見ていきたいと思います。

延々と続く内戦とテロ

もともと、アフリカ大陸はヨーロッパ諸国の植民地でした。

ヨーロッパ諸国は、それぞれの国の権益(資源や農産物など)のナワ張りだけを考え、部族どうしのつながりや過去の歴史はまったく無視して、まっすぐな国境線を勝手に引いてしまいました。

第二次世界大戦後、アフリカ諸国は次々と「独立」しましたが、その後も、ヨーロッパ諸国にとって都合のよい部族を支援し(もっと露骨に言うと武器を買う資金を提供した)、部族間でのドロ沼の戦争を助長させました。

その結果、アフリカ大陸は、内戦やテロ、部族間の虐殺事件が後をたたない地域になってしまいました。

なぜ、アフリカは有望な新市場だとしても、受け入れられないのか?

ルワンダ大虐殺

ルワンダでは、1994年大虐殺事件が起こりました。同国で暮らすツチ族とフツ族がいがみあい、国中で壮絶な殺し合いに発展。ルワンダ国民の10%以上が虐殺されたと推計されています。

この虐殺事件は、ドン・チードル主演の映画『ホテル・ルワンダ』でも描かれています。

>> 【徹底解説】ルワンダ虐殺の背景-ベルギーが創り出したフツ対ツチの民族対立

ボコ・ハラムによるナイジェリアでの連続テロ

ナイジェリアでは、ナイジェリア北東部を拠点とするイスラム過激派ボコ・ハラムによる爆弾テロ、襲撃事件があいついでいます。

ボコ・ハラムは、数百名にものぼる女子生徒を誘拐したり、女性や子供にも自爆テロを強いるテロ行為で知られており、イスラム国をもしのぐ史上最悪のテロ組織ともいわれています。

>> ボコ・ハラムが集落襲撃18人死亡

>> ナイジェリアで女子生徒90人超一時拉致か ボコ・ハラムが学校襲撃

中央アフリカ内戦

アフリカ大陸のちょうど中央部に位置する中央アフリカ共和国では、イスラム教徒の多い武装勢力「セレカ同盟」とキリスト教徒が多い武装勢力「アンチ・バラカ」がもともと争っていたところに、天然資源の権益がからむ利害対立、複数の部族が入り乱れての内戦が2017年に再発しています。

紛争の参加者が国家の正規軍ではなく武装勢力である点、利害関係がグチャグチャでしかも誰も本気で収束させようとしていない点が、悪い意味でアフリカらしい内戦です…

>> 中央アフリカ共和国:再発した紛争の実態は?

>> 北朝鮮やISの影にある「世界で最も無視される危機」:中央アフリカ内戦はなぜ「放置」されてきたか

以上は、アフリカでこれまでに起こってきた内戦やテロのほんの一例です。

テロや内戦が頻繁に起こる国は、そこにいること自体が危険なのはもちろんですが、道路や通信網などのインフラが破壊され、高度・専門的な技能を持つ人材も難民として流出してしまうため、企業や投資家からすると、最もビジネスに投資しづらい地域です。

内戦で街が破壊され続けている国の経済が発展することは、絶対にありません。

いっこうになくならない汚職・政治腐敗

アフリカの国々では、一部の政府高官や特権階級の役人のみが汚職で私腹を肥やし、大半の国民が貧しいまま…という構図がいまだに根強く残っており、年々悪化している国もあります。

腐敗認識指数
(出典:transparency.org)

上の図は、汚職・腐敗の防止をめざして活動する国際的なNGO団体トランスペアレンシー・インターナショナルが定期的に発表している「腐敗認識指数」の2017年度版を図示したもの。

見方はパッと見れば分かるかと思いますが、色が濃い国ほど、政治の腐敗・汚職がひどいところです。

アフリカ大陸は…ほぼ真っ赤ですね。

リベリア、スーダン、アンゴラはさらに濃いめの茶色。

ソマリアは、ほぼ真っ黒…世界の中でいちばん黒いかも。

この図からも分かるように、アフリカ大陸のほとんどの国では、いまだに政治の腐敗や汚職がまん延しています。

同じくトランスペアレンシー・インターナショナルが、2014年から2015年にサハラ以南アフリカの28カ国を対象に行った調査Africa Survey 2015によると、アフリカの貧しい国々では、公共サービスを受けた市民の22%が、役人にワイロを支払った経験があるとのこと。

また、回答者のほぼ半数が、警察の腐敗が最もひどいと回答したとのことです。

同レポートでは、アフリカ諸国では年間に7,500万人もの市民がワイロを支払わされたと推定しており、腐敗した警察の一例として、ジンバブエでの事件を紹介しています。

「9歳の女の子が、学校へ行く途中に男にレイプされ、HIVに感染させられた。
警察はすぐにこの男を逮捕したが、男はまもなく釈放された。警察にワイロを支払ったからだ」

経済が貧しいから汚職が横行するのか、汚職が横行するから経済が発展しないのか…?

ニワトリが先かタマゴが先か、的な話ですが、どちらにしても、こんなに汚職がひどい国では経済成長が望めないことだけは明らかです。

貧弱な医療制度

アフリカの多くの国では、いまだに医療インフラや健康保険制度がまともに機能していません。

とくにサハラ以内の国々の医療環境が悪く、Health Poverty Actionが公表したデータによると、この地域の人々の平均寿命はわずか30歳ほど…

世界保健機構(WHO)のアフリカ地域担当ディレクターは、アル・ジャジーラによる取材記事で、アフリカの医療インフラを充実させるための資金、医療機器、人材リソースが圧倒的に不足しており、改善が進んでいない現状を訴えています。

WHOの発表によると。

  • 2016年に全世界で445000人もの人がマラリアで命を落としており、その91%がアフリカである
  • 2016年に全世界で2億1600万件のマラリア症例が報告されており、その90%がアフリカである
  • ギニア、シエラレオネ、リベリアの国々を襲ったエボラでは、約28,600人が感染し、11,300人以上が死亡した。

感染症にかかっても、適切な治療を受けられる病院がそもそもないので、命を落としてしまう人がここまで増えてしまうのですね…

海外から善意のボランティアとしてやってくる医師・看護師の助けをかりて、なんとか救命活動にあたっている、という状況なのだと思います。

まとめ

この記事では、アフリカの経済が成長できない3つの要因を見てきました。

  • 延々と続く内戦とテロ
  • いっこうになくならない汚職・政治腐敗
  • 貧弱な医療制度

これらの要因を見ると、アフリカの経済発展は今後も望めないように見えてしまいますが、絶望する必要はないと思います。

その理由は、アフリカの人口ピラミッド。

アフリカの人口ピラミッド
(出典:populationpyramid.net)

先進国の人口ピラミッドとは、まったく違う形状です。

若年層(若者)の比率が、圧倒的に高い。
アフリカでの出生率が向上してきている証拠です。

いまの若年層が成人して経済活動を営むようになったら?
アフリカの経済は、爆発的な成長期を迎える可能性があります。

ABOUT ME
モアイパパ
妻と子供ふたりの四人家族。 東京都武蔵野市在住。 ネット系IT企業勤務。 株式投資歴10年以上。投資の失敗経験もあり。 美味しいお酒と、音楽を聴くのが大好き。とくに、ジャズ、60年代~70年代の米国・英国のポップ音楽。