経済・投資

少額からの株の信用取引で1,000万円儲けることは可能?

お金

Yahoo!知恵袋に、投資で1000万円の元手を作りたいのですがという投稿がありました。

投資で1000万円の元手を作りたいのですが、少額から増やしていくためにはやはり働かないとダメですかね?

少額から仮想通貨やFXや株などの投資に回していくのは早いですよね?…

この質問者の方の意図は、次のようなことかと。

「給料を貯金するだけでは、1,000万を貯めるのに時間がかかりすぎて、かったるい。
FXとか株式投資とかで、手っ取り早く儲けたい」

「少額」と書かれているので、この質問者の方の自己資金は、多くても100万円くらいかと推察します。

この場合、株などの取引で短期間で元手を1,000万円まで増やすには、レバレッジをかけた信用取引にチャレンジするしかありません。

「レバレッジ」というとかっこよく聞こえますが、要は、借金をして、自己資金だけでは買えない価格の金融商品を売買する手法。
(もちろん、お金を借りるので証券会社に金利を支払う必要があります)

では、株の信用取引で1,000万円を稼ぐことは、はたして可能なのでしょうか?

まあ~、気持ちは分からないでもないのですが、、

「可能性はゼロではないけど、大損する危険のほうが大きい。やめておいたほうがよい」

これが、私なりの回答です。

この記事では、その理由を見ていきます。

信用取引で儲け続けるために必要な条件は?

自己資金が100万円としましょう。

信用取引では、最大で3.3倍程度の取引が可能なので、230万円を借金。合わせて330万円ぶんの株を買うことができます。

株価が10%上昇したら、どうなるか?

売却株価は363万円。

借金230万円を返すと、手もとに63万円残る。
100万円の元手で63万円の儲け。
美味しい取引ですね。

このような取引を何回か続けられたら、1,000万円もユメではない。

しかし、逆に、株価が10%下落したら?

売却価格は、297万円。
借金230万円を返すと、残りは67万円。
もともとあった自己資金100万円よりも減ってる、、

もし、株価が20%下落したら、、?

売却価格は、264万円。
借金230万円を返すと、手もとに残るのはわずか34万万円。
自己資金が66万円も減ってる、、

このように、少額の自己資金ではじめる信用取引は、負けた場合の損失がデカいので怖い。

儲けるには、連戦連敗するしかないわけです。

カリスマトレーダーは信用取引の「天才」なの?

信用取引で儲けることがメチャクチャ難しそうなことは、なんとなく分かってきました。

ここで、新たな疑問がわいてきます。

「でも、ネットで有名なカリスマトレーダーは、株の信用取引で何十億も稼いでるじゃん。彼/彼女達の存在は、どう説明するの?」

その理由は、「生存者バイアス」の考え方でおおかた説明できます。

生存者バイアスとは?

信用取引に参加する個人投資家の数は、年々増え続けています。

多くの投資家が、この投機(ギャンブル)に資金を投じています。

先に見たとおり、信用取引はハイリスクな投資手法のため、多くの投資家は市場に勝ち続けることが難しくなり退場する。

しかし参加者の母数が多いので、「たまたま連続で相場予想が当たり続ける」人が、確率論的に必ず出てきます。

そのような「運の良い」投資家が、信用取引で何十億、何百億もの資産を築き、「カリスマトレーダー」「相場の天才」としてネットや雑誌に取り上げられる。

人々はそれを見て、

「この投資家は、○○の理由があって(経済に詳しい、相場を読む才能がある、云々)これだけの資産を稼げたのだ」

「この手法をマネれば、自分も株で儲けられるんじゃないか?」

、、と考えてしまう。

これが、「生存者バイアス」です。

生存者バイアスの考え方をさらに深く理解したい人には、不確実性科学の学術研究者兼トレーダーとして著名なナシーム・ニコラス・タレブ氏の『まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか』がおすすめ。

タレブ氏によると、金融機関で働くファンド・マネージャー達がやっていることを単なるコイントス(コインを投げてオモテとウラのどちらが出るか?を当てるゲーム)と同じであるとみなし、能力がなくても、まぐれ当たりで良い運用成績をあげることができるのだそうです。

モンテカルロ・ジェネレーターがコイントスをする。表ならマネージャーはその年1万ドル稼ぎ、裏なら1万ドル損をする。最初の年についてやってみよう。年末に5000人のマネージャーがそれぞれ1万ドル稼ぎ、5000人が1万ドル損をする。次は2年目だ。ここでも、2500人が2年続けて利益を出す。3年目は1250人、4年目は625人、5年目は313人だ。単なる五分五分のゲームでも313人のマネージャーが5年続けて儲けを出す。純粋な運だけで。

(『まぐれ』より引用)

カリスマトレーダーのほとんどは、たまたま運良く、コイントスゲームで最後まで残っただけ。

億り人のカリスマトレーダーがいたとしても、私やあなたが信用取引で1,000万円を稼げる可能性が、泣きたくなるほど低いことに変わりはありません。

投資の元手1,000万円は働いて貯める、が王道

この記事では、株の信用取引で少額から資産を増やすことがハイリスクである理由を見てきました。

記事を書きながら、「テンバガーに化ける可能性のある銘柄(株価が10倍になる銘柄)に現物株で投資する手もあるな〜」などと考えたのですが、あまり現実味がありません。

そもそもテンバガー銘柄を探すのが難しいですし、仮に候補銘柄が見つかったとしても、わずかな資金を集中投資したところで、勝率はたかが知れているからです。

やはり、働いてコツコツと貯金して、元手がある程度の金額規模になってから、投資をはじめる。

これが、最適解ではないかと。

少し時間はかかるかもしれませんが、王道でしょう。

ABOUT ME
モアイパパ
妻と子供ふたりの四人家族。 東京都武蔵野市在住。 ネット系IT企業勤務。 株式投資歴10年以上。投資の失敗経験もあり。 美味しいお酒と、音楽を聴くのが大好き。とくに、ジャズ、60年代~70年代の米国・英国のポップ音楽。