経済・投資

ヴァンガードのETF「VT」を長期保有する場合のデメリット、リスク

私も、かれこれ10年以上、インデックスファンド投資をコツコツと続けていまして。

以前は、先進国各国の株式市場に投資するiシェアーズ MSCI EAFE ETF、新興国に投資するiシェアーズ MSCI エマージング・マーケット ETFなどを組み合わせることで世界全体の株式市場への分散投資を試みていたのですが、2013にVT(ヴァンガード・トータル・ストックETF)一本に切り替えました。

2008年に設定されたこのETFには機関投資家からも大量の資金が流入しており、2018年現在の純資産総額はすでに100億ドル(!)超え。

運用手数料のコストも安く非常に人気があるETFであり、私も自分なりにいろいろ調べたうえで保有しているわけですが、もちろんVTが最強・万能な投資商品というわけではありません。

とくに長期保有するのなら、このETFの特性や潜在リスク、デメリットもしっかり理解しておくことが重要です。

短期で「大儲け」することはムリ

個々の企業の株式(個別株)は、短期的に株価が変動する幅(「ボラティリティ」)が大きくなる傾向にあります。
ポジティブ・サプライズの好決算を発表したり、大型の吸収合併を発表したりした時は、株価が一気に10%上昇することもザラ。
日本の「アベノミクス」で日経平均株価が数倍になったように、政府の経済政策によって、その国の企業の株式に資金が殺到することもしばしばあります。

いっぽう、VTは世界全体の株式市場に「広く薄く」分散投資するため、個別株や特定の国の株式市場(例えば米国のS&P500指数)に投資する場合と比べると、ボラティリティは比較的おだやかになります。

つまり、大損する危険はそれほどないけど、大儲けすることも難しい。

良くも悪くも、地味な投資商品。

「AmazonやGoogleなどのテック企業の株価が急騰!」「ビットコインへの投資で億り人が続出!」なんてニュースを見て、気持ちが内心あせってしまうインデックスファンド投資家が多いのは、このためです。

「長期投資すれば必ず儲かる」とは限らない

VTを長期保有することは、すなわち以下の予測に金を賭けるギャンブルに参加することを意味します。

「世界経済は、山あり谷ありだけど、長期的には右肩上がりで成長するはずだ」

私は、この予測が当たる可能性が高いと考えています(だからVTを保有している)

でも、結果的にハズす可能性もゼロではありません。

例えば、次のような要因が長期に渡り世界経済の足を引っぱるかもしれません。

  • ヒトがグローバルに行き来することにより深刻な感染症が世界的に流行。人口激減
  • ブロック経済がグローバル化に取って代わり各国間のヒト・モノ・カネの交流が停滞
  • 現時点では予測できないブラックスワン・イベント発生により、世界経済が低迷

いずれも、上場企業の業績に深刻なダメージを与えます。

また、仮に一部の国の経済が絶好調でも、その他の国の景気が長期にわたって悪化した場合、調子の悪い国の株式市場の時価総額が上がらず、全体の足を引っぱってしまう可能性もあります。

このような事態となった場合、世界全体の「株式市場」に分散投資していると、リターンは非常に低くなる、もしくは損失が出るおそれもあるでしょう。

経済のダイナミックな動きを身をもって体感しづらい

個別株を保有していると、日々の政治・経済のニュースに敏感になります。

ニュースによって、自分が持っている株価が大きく値動きするから、国内外の経済動向にピリピリせざるを得なくなる。
(たとえば私の場合、北朝鮮の核実験のニュースで保有株の株価が大きく値下がりしたときは、身をもって学びました)

政府の経済政策や為替、紛争、原油価格などの要因が、株式やさまざまな金融商品の価格にどのような影響を及ぼすのか?
「損失」という痛い授業料を支払ってカラダで学ぶことで、経済の見方も自然と磨かれるわけです。

いっぽう、VTにかぎりませんが、インデックス・ファンドは、「放ったらかしにしておいても、それなりにリターンが出るかもしれない」金融商品です。

良くも悪くも、資産運用を「丸投げ」できる。
そうなると、基準価額を毎日チェックするわけでもなく、経済ニュースもどこか他人ゴトになりがち。

これだと、ちょっとマズイな、と思うのが、数十年後にVT投資からの収益が思うように上がらなかった場合です。
損失から立ち直るために、投資戦略を見なおす必要が出てきますよね。

  • 現金比率はどのくらいに保つべき…?
  • 金(ゴールド)を買うべき…?
  • 特定の地域の株式市場に集中投資すべき…?

いろいろ新しい投資判断をせまられる。

そんな時に、世界の経済動向を読み解ける知識、さまざまな金融商品についての知識が多少なりともないと、「何をどうすればよいのか分からない」
まっとうな判断ができなくなってしまいますよね。

まとめ

いろいろ書きましたが、VTが優れたETFであることはまちがいないと思います。
とくに、本業の仕事で忙しく投資のための勉強時間がなかなか取れないサラリーマンにはピッタリ。

ただ、なんとなく「世間で評判がよいから」という理由だけでVTに大事な資金を投じるのであれば、準備不足と言わざるを得ません。

VTのメリットだけではなく、デメリットもしっかり理解したうえで、お互いに納得のいく資産運用ができるとよいですね!

ABOUT ME
モアイパパ
妻と子供ふたりの四人家族。 東京都武蔵野市在住。 ネット系IT企業勤務。 株式投資歴10年以上。投資の失敗経験もあり。 美味しいお酒と、音楽を聴くのが大好き。とくに、ジャズ、60年代~70年代の米国・英国のポップ音楽。