こんにちは。まねきネコです。
「30代でWebディレクターに転職するには、どんなことを準備しておく必要があるのかな?」
今日は、30代・未経験でWebディレクターへの転職にチャレンジしたいと考えている方へ向けて、私の経験から、アドバイスっぽいお話をしてみようと思います。
私は、かれこれ20年に渡り、Web業界で、Webディレクター、プロジェクト・マネージャーとして仕事をしてきました。
最初は受託開発のWeb制作会社で経験を積んだのち、30代で大手のインターネットサービス企業へ転職。現在に至ります。
異業種からWeb業界へ未経験で転職してきた方も数多く目にしてきました。
転職のお悩みを抱えている方へ、多少はお役に立てるかなと思います。
あなたにはWebディレクターの資質がある?-これまでのキャリアを棚卸ししよう
そもそも、Webディレクターには、どのような資質・スキルが求められるのでしょうか?
さまざまな意見があるかと思いますが、私としては、Webディレクターには以下の3つの資質・スキルが必要と考えます。
資質①:メンドウな調整ごとを粘り強く進められる
Webディレクターの仕事というと、UI仕様をビシッとまとめ、デザイナーやエンジニアに指示を出しながらカッコいいサイトやアプリを作り上げる…そんなキラキラしたイメージを持たれている方も、多いのではないでしょうか。
しかし、実際のところ、Webディレクターの仕事は、もっと泥臭い部分が多いです。そして、その仕事の7割ほどは、いわゆる「調整ごと」。
- クライアントから、また仕様修正の依頼がきた…
- 担当エンジニアのモチベーションが低下してして、システム設計の進捗が遅れている…
- 担当デザイナーが、お子さんが熱を出して稼働できなくなった…
…などなど。
制作・開発を進める中で、調整が必要となる局面は、いくらでも頻繁に発生します。
Webディレクターは、それぞれの関係者の事情に配慮しつつ、必要に応じて交渉も重ね、全体の進捗を管理しながら、プロジェクトを進めなければなりません。
何よりも、メンドウな調整ごとをていねいに進める根気・辛抱強さが求められます。
資質②:情報の構造をロジカルに把握し、整理することができる
Webディレクターの重要な仕事に、サイトやアプリの仕様定義があります。
その際に、ユーザーへ提供したい情報の構造をロジカルに整理し、サイト構成を設計するスキルが不可欠となります(情報の構造を整理し、構成を設計するプロセスを「情報デザイン」と呼びます)
情報がキチンと整理されていないと、サイトマップの構成がグチャグチャになり、ユーザーはお目当ての情報にたどり着くことができずに迷子になってしまうためです(この時点でほとんどのユーザーがサイトから去っていき、二度と戻ってきてくれません)
ユーザーが理解しやすい形で情報を整理整頓し、構造を可視化すること。Webディレクターの重要な仕事です。
資質③:インターネットサービスへのどん欲な好奇心がある
言うまでもありませんが、インターネットの世界はものすごいスピードで進化しています。
新しいサービスが続々と生まれ、競争に敗れたサービスは次々と消えていきます。
最近はAI(人工知能)が数ヶ月単位で進化をとげており、インターネットでの情報の探し方・調べ方を劇的に変えてしまう可能性も出てきました(個人的には、AIは数十年に一度のゲームチェンジャーになると考えています)
Web業界で働く以上は、情報に対するアンテナの感度を高めて、新しいサービスを積極的に使い倒していく好奇心が求められます。
以上、Webディレクターに求められる3つの資質をご紹介しました。
あなたのこれまでのキャリアの中で、何かしら、これらの資質に結びつけてアピールできるポイントはないでしょうか?
- 〇〇のプロジェクトで、関係者の合意形成に向けた調整を粘り強く行った
- 〇〇の報告資料を作成する際に、資料の構成を工夫した
- 日頃から新しいインターネットサービスがリリースされると積極的に使うようにしている(具体的なサービス名と、使ってみた感想や自分なりの分析も添えるとなおさらgood!)
などなど。
あなたのこれまでのキャリアの中で、アピールできる経験・実績がないでしょうか?
経験を棚卸しして、少しでも結びつくものがあれば、ぜひ、職務経歴書に記載しましょう。
採用面接の際にも、Webディレクターに求められる資質をあなたが持っていることをアピールできれば、高いポテンシャルを持つ候補者とみなされ、評価も高まるのではと思います。
Web業界の内情に詳しい人に話を聞きまくろう
ネットの転職情報サイトなどに書かれている情報を読むのもよいのですが、私が何よりもおすすめしたいのは、Web業界に詳しい人、業界で実際に働いている人たちの話を聞いてみることです。
このような人たちとコミュニケーションをとる方法は、いくつかあります。
転職エージェントに会って話を聞く
マイナビクリエイターなどのWeb系人材に強い人材紹介会社へ登録して、エージェントとの面談を申し込んでみましょう。
エージェントはWeb業界の複数の企業の人事部とのコネクションを持っており、当然、多くの情報を持っています。
未経験者の採用に意欲的な企業であったり、各社の社風であったり。
あなたが不安に思っていることや、希望する待遇や職場環境などを伝えて、いろいろ話を聞いてみてください。
もし、あなたが今スグの転職を考えているわけではない場合でも、快く面談に応じてくれるはずです。
SNSで業界の人をウォッチする
SNS、とくにTwitterでは、 Web業界で働く人たちが盛んに情報発信をしています。
もちろん、中にはベテランのWebディレクターの方も。
Webディレクター人材の需要、新しいツールに関する情報、プロジェクトの進め方、UXに対する考え方、などなど。さまざまな情報を発信しています。
おすすめのアカウントの一例です。
このような方のアカウントはフォローしているだけでも勉強になりますが、とくに興味のある方がいたら、リプライやDMで、思い切って質問するのもアリ。
もちろん、会社を経営されているお忙しい方もいらっしゃるので、なかなか返信をいただけない場合もありますが、タイミングが合えば、親切に教えていただけるかもしれません。
積極的にフォローして、リアルな情報を吸収しましょう。
Webディレクターに必要とされる知識を本から学ぼう
あなたが、Webディレクターへの転職にチャレンジするにあたって、今スグに始められることがあります。
それは、Webディレクターに求められる知識を本から学ぶこと。
「どんな本を読めばよいの?」
さまざまな専門用語を覚えたり、ツールの使い方を身につける必要はもちろんあるのですが、じつは、このような知識は、現場で仕事をしているうちに、必要に迫られて自然と身につきます。
関連する書籍もあることはあるのですが、Webの世界は流行り廃りの変化が早いので、やっつけ仕事で内容を編集したような質の低い本が多く、あまりおすすめできません。
私は、むしろ、Webディレクターの仕事をするうえで必要になる、本質的な考え方・知識を、本を通して学んでおくことを強くおすすめします。
私が何度も読み返している本を、ご参考までに何冊か。
ロジカル・シンキング(ロジカルな考え方)、文章の書き方について指南してくれる本。
著名な外資系戦略コンサルティング会社でもスタッフの必読書に指定されていると言われる定番のベストセラーです。
ロジカル・シンキングというと外資系戦略コンサルティング会社で使われるようなイメージを持たれている方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
情報の構造を分かりやすく整理してWebサイトやアプリの全体構成を考えるのがWebディレクターの重要な仕事。そこで必要になるスキルが、ロジカル・シンキングです。
実は、我々人間は、情報をロジカルに解釈したがるクセが本能的にあります。ロジカルに整理された情報は理解しやすく、逆に、ロジカルではない情報は、理解するのに苦労するのです。
システム開発プロジェクトをスムーズに進めるために、発注者はどのタイミングで何を準備・検討すべきなのか?エンジニアとどのようにコミュニケーションを取るべきか?を分かりやすく学べる本。
システム開発案件のマネジメントにPM(プロジェクト・マネージャー)として携わり、壮絶な炎上案件も数多く経験してきた筆者が、生々しい実体験をもとに、現場で役に立つ方法論を展開しています。修羅場をくぐり抜けてきたプロフェッショナルだからこそ書ける、リアルな知見の宝庫。
「あるある」なエピソードも満載です。
デザインの基本原則を分かりやすく学べる本。
1998年に刊行されて以来、何回も版を重ねて出版されている定番のベストセラーです。
この本で紹介されているのは、Webページであれ、印刷するパンフレット冊子であれ、街中の標識であれ、あらゆる「デザインされたもの」に共通する原則ルール。
デザイナーと協力し合って質の高いプロダクトを作るために、Webディレクターも、デザインの基本的な考え方は必ず理解しておく必要があります。
少なくとも、この本で紹介されている4つの原理原則は、最低限、知っておいて損はありません!