仕事・キャリア

Webディレクターの仕事がしんどい理由とは…?転職を考えているあなたへのアドバイス

こんにちは。まねきネコです。

Googleで「Webディレクター」というキーワードで検索すると、関連検索ワードのひとつに「Webディレクター しんどい」というワードが表示されます。

「Webディレクターの仕事にジョブチェンしたいのだけど、大変なのかな…?」

「Webディレクターとして転職したいのだけど、どの会社も残業が多いのかな…?」

おそらく、このような不安を抱えていて、ネットで検索している人が多いのでしょう。

私、まねきネコは、かれこれ20年ほど、ネット業界でWebディレクター、PM(プロジェクト・マネージャー)として仕事をしてきました。
(受託開発の制作会社に勤務した後、現在はサービスを自社開発する大手企業に勤務しています)

複数の会社でWeb開発の現場で働いてきた経験からいうと、Webディレクターという仕事特有のしんどさ、大変というものは、確かにあります。

Webディレクターの仕事が大変な理由について、私なりの考えをお話したいと思います。

調整ばかりでしんどい…!? 板ばさみになるツラさ…

Webディレクターは、どのような現場でも、必ず板ばさみになります。
板ばさみになることが仕事、と言ってもよいでしょう。

お金を出すクライアント(もしくは自社の上層部)と、手を動かしてプロダクトを作る開発・制作現場との間で板ばさみになるのです。

クライアントは、こんな不満を持っています。

「なんで開発スケジュールがこんなに遅れてるの?」

「高い料金を払っているのに、なんでこんなに品質がショボいの?」

「もっとイケてるデザインのサイトが作れないの?」

一方、現場のエンジニアやデザイナーは、こんな不満を持っています。

「なんでいつも、ムチャなスケジュールを押しつけてくるの?」

「これだけの規模のサイトを10万円で作ってくれとか、何を考えてるの?」

「なんで意味もなく『キレイなイメージ写真をトップページに載せろ』とか言ってくるの?」

ここでWebディレクターが板ばさみになって双方の要望や不満をヒアリングして利害を調整するわけですが…ここでツラいのは、ディレクター自身は、誰にも不満をぶちまけられないところ。

「あー、もう!どいつもこいつも、好き勝手なこと言いやがって!!」

Webディレクターの仕事をしていると、このように叫びたくなる局面が、必ず訪れます。
(だからこそ、Webディレクターには高いコミュニケーション能力が求められるわけですが)

かつて、昭和の時代には「企業に勤める中間管理職サラリーマンの悲哀」みたいなことが言われていましたが、まさしく、板ばさみになるWebディレクターにも共通する表現です。

休めない…! ― 有給休暇を取りづらい・残業が多い

Webディレクターは、休暇や勤務時間をコントロールしづらい職種です。
残業時間も増えがち。

ディレクターという職業の固有の事情でもあるのですが…
Webディレクターは、Webサイト開発のそれぞれの工程の「つなぎ目」に立ち会って、成果物をチェックし、次の工程の担当者に引き渡す必要があるためです。

例えば…

ページデザインの画像がデザイナーから納品されたら、内容をチェックしてHTMLコーダーに引き渡す。

HTMLコーティングが完了したら、また内容をチェックして、実装担当のエンジニアへ引き渡す。

実装が完了したら、開発環境で動作をチェックして、一般公開リリースのGoサインを出す。

…といった感じで、それぞれの工程が完了するタイミングで、Webディレクターはスタンバイしていなければなりません。

そして、それぞれの工程の「つなぎ目」は、数日おきにやってきます。

仮に、そのタイミングでディレクターが休みを取っていてチェックに時間がかかれば、そのぶん、後の工程のスケジュールも遅延してしまう。
自分自身が進捗のボトルネックになってしまうので、有給休暇はなかなか取りづらいのです。

また、開発スケジュールがタイトな案件の場合は(実際はほとんど全ての案件がタイトですがw)、エンジニアの実装が完了するのを深夜まで待機して待ち、そこから急いで動作確認する…なんて日も、普通にあります。

なので、残業時間も必然的に増えるわけです。

いつも時間に追われている!? - スケジュール、進捗管理のプレッシャーが強い

これは、先にお話した「休みを取りづらい」問題とも少し関係があるのですが…
「常に時間に追われている」プレッシャーとストレスは、Webディレクターという職業の宿命と言えます。

私も、休みの日に、ふと仕事上の心配ごとを思い出して憂鬱になってしまうことがあるのですが、心配ごとの6〜7割くらいが、担当している案件のスケジュール、進捗管理に関する悩み・不安です。

Webディレクターは、自分で手を動かすことはできません。同じプロジェクトのメンバーであるデザイナーなりエンジニアに仕事を依頼して、成果物が上がってくるのを待つしかありません。

そして、各工程の作業が予定通りに進まない…なんてことも、日常茶飯事。

(ちなみに、話が少し脱線しますが、Webディレクターとしての経験を積むとスケジュール見積もりの精度は上がります。しかしそれでも、実際の進捗が予定とずれてくることはザラです)

例えば、予定ではエンジニアの開発タスクは今日中に完了しなければならないのに、夜7時過ぎてもいっこうに終わる気配がない!

…このような時、ディレクターは、適度に進捗状況を確認しつつ、エンジニアを信じて辛抱強く待つしかありません。

「待つしかない」という状況が、Webディレクターにとってのプレッシャーとなり、ストレスを感じるわけです。

「じゃあ、Webディレクターに転職するのは、やめておいたほうがよいの…?」

私なりの考えで、2点、お伝えしたいことがあります。

まず、ひとつ目。

Webディレクターの仕事は、大変なぶん、やりがいもあります(月並みな表現でごめんなさい…)

担当したWebサイト開発案件が、苦難の末に、ようやく一般公開までこぎつけた…!
リリースできた時に、妙な脱力感とともに襲ってくる快感(?)は、いちど体験したらやみつきになります(同業の方なら共感していただけるはず…!)

また、ディレクターは調整ごとが多くスケジュールのプレッシャーもあり大変な仕事であるのは事実なのですが、それは貴重な経験を積むチャンスでもあります。

必ず必要とされるポジションなのに、できる人が少ない。だから、希少な人材として評価される。
必ず、あなたのキャリアアップにつながります。

お伝えしたいことの、ふたつ目。

Web業界の中で、Webディレクター「だけ」が大変なわけではありません。

エンジニアにも、デザイナーにも、それぞれの職種で大変なところは、必ずあります。

例えば、夜中に障害が発生し、アラートで叩き起こされる日々のストレス。
DB(データベース)に直接アクセスして作業する時の極度のプレッシャー。

…これらは、エンジニア特有のシンドい部分です。

エンジニアの仕事が、ディレクターよりもラクなのか?というと、そんなことはありません。

当たり前ですが、どの仕事にも大変なところはあります。

「Webディレクターは大変そうだから」という理由だけで最初から尻ごみしてしまうのは、少しもったいないな、と思います。

もし、あなたが少しでもWebディレクターという職業に興味をもっているのであれば、Webディレクターとして働いた経験のある人や、Web業界に詳しい転職エージェントに話を聞いてみるのをおすすめします。

とくにあなたが、未経験からWebディレクターの仕事にチャレンジしたいと考えているのなら、事前の情報収集はめちゃくちゃ大切。

例えば、マイナビクリエイターなどのWeb系人材に強い人材紹介会社に登録して、転職エージェントと面談してみるのも、ひとつの手でしょう(マイナビは登録無料です)

ネット上にもさまざまな情報が飛び交っていますが、それらのウワサ話を鵜呑みにしてしまわずに。

あなたのチャレンジを、お待ちしています!

ABOUT ME
まねきネコ
妻と子供ふたりの四人家族。 東京都在住。 株式投資歴10年以上。投資の失敗経験もあり。 美味しいお酒と、音楽を聴くのが大好き。